ここでうなぎを
育てる意味があります。

「うなぎは水の生きものなのに、どうして “森”?」
「そもそも、今なぜうなぎなの?」
「森のうなぎ」と聞けば、
誰もがそんな感覚を抱くことでしょう。
私たちが目指しているものについて、
お伝えします。

うなぎと自然のこと

うなぎと自然のことの写真
うなぎと自然のことの写真

うなぎの養殖という試み

うなぎは川の小魚や虫などを食べる肉食の生きものです。実は、水中の食物連鎖では頂点にいるのです。多くのうなぎが生息する川は、えさがたくさんある豊かな川だといえます。

川がその状態を保つには、川の生きものへ栄養を供給できる豊かな森が必要不可欠です。「うなぎがどれくらいいるか」で、川や森の豊かさが測れるといっても過言ではありません。うなぎは、生態系や日本の自然を考える上でとても重要な存在です。

うなぎの養殖は天然の稚魚を捕獲・育成し販売する事業です。そこにあえて参入していくことにしたのは、人間の活動によって生態系が劣化していっている現状を、中に入ることで少しでも変えていけるかもしれないという思いがあるからです。人とうなぎの良い関係を再構築するためにはうなぎをどう育てて提供するのがいいか。林業と水産業をつなげて “循環”させていくことを目指しながら、模索を続けていきたいと考えています。

「自然資本」の価値を高めたい 

現代社会において貨幣資本は欠かせないものですが、私たちは同時に「自然資本(Natural capital)」もとても大事なものだと考えています。「自然資本」とは、森林、山、土壌、海、川、大気、生きものなどです。単純な貨幣換算が難しく価値がないと思われがちですが、それらの関わり合いのなかからは、驚くほど豊かな恵みを受け取ることができます。

森を例にとると、ていねいに間伐を行い、 健全な状態にすると、良質な水や生物多様性などの価値が生まれます。このようにいろいろなものが連鎖し、循環していくなかで 「自然資本」の価値が高まります。連鎖と循環を促すことで「自然資本」の価値を高めていきたいのです。

私たちと西粟倉村

私たちと西粟倉村の写真
私たちと西粟倉村の写真

林業と水産業をつなげるはじめの一歩です

岡山県北東部に位置する西粟倉村。約 1,500 人が住む村で、村の面積の約 95% を森林が占めています。エーゼロ株式会社・代表取締役の牧大介は、2009 年に株式会社西粟倉・森の学校を設立し、間伐材で製品をつくり、森から価値を生み出す流れをつくってきました。

この活動を通して、「地域全体に多様な価値が眠っているなか、木材や木材製品を売るだけでいいのだろうか。農業、林業、水産業という枠を超えて、自然資本として価値をつなげていかなければならないのでは」という考えが強くなっていきました。

農業は農協、林業は森林組合、水産業は漁協というように、業界ごとに縦に分断され、流通も垂直に統合されている世の中の流れ——。この縦割りの末端が、地域にあるのです。

株式会社西粟倉・森の学校という一つの軸に続いて、水産業や農業も含めた軸も立て、それを横につないでいきたい。そんな思いを実現するため、西粟倉村でエーゼロ株式会社を設立しました。

社名は、森の土壌の一番上の有機物層である「エーゼロ(A0)層」からとっています。木の栄養分であり、雨から土を守る大事な層です。私たちは、この目立たないけれど豊かな森を支える層のように、社会へさまざまな価値を産み出す土壌となることを目指しています。中山間地や農山漁村に眠っている価値を引き出していくことも使命の一つです。

うなぎを育てる水温をキープするための燃料に、捨てられている木くずを活用できると考えたことが、うなぎの養殖に取り組むきっかけとなりました。林業と水産業をつなげる取り組みのはじめの一歩です。

地域経済のポートフォリオを考えたとき、超長期の運用資産である森を保全していくことも大切ですが、短期で収益が生まれるビジネスも重要だと考えています。

地域での循環が大きくなっていけば、地域経済の自立度も高まっていくでしょう。日本の田舎に自立度の高い経済があれば、人が生きていくのを支える、とても大事な基盤になると思いませんか。

「森のうなぎ」を食べることで、「西粟倉村の生態系のひとりになる」と思ってもらえたらうれしいです。

私たちの描くビジョン

水、熱、栄養素を巡らせ、
農業・林業・水産業を結ぶ

うなぎの養殖では、水を 25 〜 30 度に温め、キープする必要があります。そのため、灯油に加えて、西粟倉村の林業で大量に出る木くずをチップにしたものを 2017 年中には燃料として使い始める予定です。こうした有機性資源を「木質バイオマス」といいます。

うなぎのいる水槽には、常に水を循環させて水をきれいにする「ろ過槽」があります。そのろ過には、専用マットのほか、杉や檜のバーク(木の皮)を使う研究もしています。バークは、これまで捨てられていたものでした。バークにある成分が水中環境を整え、魚を健康にしていく効果が期待されています。

それだけではありません。えさは、魚を骨ごと乾燥し粉末にした魚粉が中心なので、うなぎのふんや排水には窒素、リン、カルシウムなどが豊富に含まれています。バークはそれらの成分を吸着していくので、ストックすると良質な堆肥の材料になります。

また、排水そのものをビニルハウスの畑に循環させる流れをつくる計画もあります。温かい水なので、ビニルハウス自体も温まります。ここで作物を育て、野菜の茎など食べられないものも堆肥の材料にし、堆肥を畑で使います。水、熱、栄養素を巡らせていくのです。

こうした巡りのなかで、農業・林業・水産業のつながりや循環を生んでいきます。

私たちの描くビジョンのイメージ画像
  1. 西粟倉村の森林面積は村の面積の約 95% 。

  2. 株式会社西粟倉・森の学校では、森から伐り出された木を使った 製品の開発・製造・販売に取り組んでいます。

  3. 木を切る時に出るおが粉や、木材として使えない部分を細かく粉砕した木くずのチップ。

  4. おが粉は、きのこを育てるための菌床に利用できます。

  5. チップや薪などを燃料とする、バイオマスボイラー。

  6. うなぎが育つ適正温度は 25 〜 30 度。バイオマスボイラーが 生み出す熱を、水温調節に利用します。

  7. 廃校になった小学校の体育館を養殖場として利用しています。

  1. 水槽の水をきれいに保つために、古い水は排水されます。

  2. 砂を敷き詰めたろ過槽の中に排水を通すと、砂の中にいる微生 物の働きによって排水が浄化されきれいになります。

  3. 浄化された水は水槽に戻し、再びうなぎを育てるために使います。

  4. 浄化された水には、植物にとって栄養になる成分が多く含まれて いて、農業にも利用できます。

  5. 畑で育った作物の食べられない部分は、水槽から取り除いた泥 と合わせて畑の肥やしになります。

  6. これらの活動は、廃校となった旧影石小学校を拠点としています。

  7. ❋ 実現しているのは色が付いている部分です(2017 年 6 月現在)

だからこそ、
うなぎを循環型で育てます

— 代表取締役   牧 大介

2016 年 1 月から準備をし、5 月から設備を入れて、まずはビカーラ種の養殖からスタートしました。一般的には半年ほどで出荷サイズになるよう育てられますが、無投薬にこだわり、1 年以上かけてゆっくり大きく育てています。

私たちは、単にうなぎの養殖をするのではありません。森に囲まれた環境で、森のめぐみを活用しながら林業と水産業をつなげて循環させていくことを目指しています。

「森のうなぎ」ですが、“森” だけから生まれたのではありません。
私たちの目指す“循環”も、楽しんで味わってもらえますように。

  • // ぐるぐるめぐる商店 //

    自然の循環から生まれる商品をつくっていきます。
    Coming Soon.

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